【写真】今回インタビューしたハルさん

暮らし図書室は、武里のリノベーションスクールをきっかけに誕生しました。2023年10月にプレオープン、同年12月に正式オープンしています。
リノベーションスクールとは、実在する空き家や空き店舗を活用した事業を練り上げるワークショップです。
ハルさんはこの図書室の運営メンバーであり、主に平日昼の10時から17時までの店番も担当しています。デザイナーや似顔絵イラストレーターとして活躍するハルさんは、リノベーションスクールに入る以前から、本がある自分のアトリエがほしいと思っていたとのこと。この暮らし図書室はまさにハルさんの理想通りの場所です。

ハルさんは図書室の魅力を「居心地のいい場所」と語ってくれました。
「多くの方から居心地がいいと言われます。おしゃべりをしてもいいし、静かに過ごしたいときは本を読んでもいい。手紙を書くために使われる方もいらっしゃいました」
本棚があるため、やや手狭な空間ですが、利用者はその中で思い思いのスタイルで本を楽しんでいます。例えば、様々な方向を向いている椅子に座って本を広げたり、壁の本棚を眺めたりなど。こうした時間の過ごし方ができるのも、この場所の大きな特徴の1つです。

ハルさんに図書室の中で最も印象に残ったエピソードを聞くと、
「春日部市に引っ越してくることになり不安だったけれど、暮らし図書室を知って不安が晴れたという方の話が印象的です」と教えてくれました。暮らし図書室はここにしかないということも価値の1つだと感じました。

【写真】店番から見た店内の様子

本棚オーナーとは、月額利用料を払い図書室内の本棚の1つに本を置く人のことです。置いた本は図書カード登録者が自由に読むことができます。「有料で本を貸すことになんのメリットがあるの？」と疑問に思う人もいるでしょう。そこでこの本棚オーナーになることの利点について、ハルさんに聞いてみました。
「一番のメリットは、本好きの人と繋がれることだと思います。また本を置いた残りのスペースを自身の宣伝に使うこともできます」
本棚オーナーが置いた本を読んだ別の人の感想を聞いて、また別の人がその本を借りる。こうした本を通じて人が繋がっていく場面をハルさんは見かけることがあり、それが本棚オーナーになることの魅力だと話してくれました。
本棚オーナーは、月に一度の会議や交流会への参加ができます。また、店番をすることも可能です。さらに、月に一度までは、無料で図書室でのイベントを開催できます。
こうした、「本が好き」という共通点を持った人同士が会話を通じ、繋がれることが、本棚オーナーのメリットだとハルさんは感じているようです。

【写真】本棚の名札にはハルさん作の似顔絵を付けることも


暮らし図書室では現在、2階も使用できるように準備を行ってます。2階は机と椅子があり、仕事や勉強、ワークショップなどに使用できる予定です。10月からクラウドファンディングを行い、12月のオープンを目指しています。
「いろいろな人に来てもらいたいので、子どもが騒いでいて仕事や勉強ができないといったことがないよう、調整を考えています。本はベースにしたいので、どう絡めていくかを思案中です」と語るハルさんは、本棚オーナーの方から提案されたアイディアも見せてくれました。そのアイディアをiPadでイラストにまとめ、オープンに向けて準備を進めるハルさんの表情からは、ワクワクしている様子がうかがえました。
「本が好きな人はもちろんですが、本を読まないけれど興味がある人、この空間を大切にしてくれる人、そういう人にどんどん来てほしいです」、というハルさん。2階がオープンすれば、暮らし図書室はさらに多くの人にとって、居心地のいい場所になるでしょう。

「暮らし図書室」
・住所：埼玉県春日部市大場1138ｰ2
東武スカイツリー「武里駅」西口徒歩2分
・営業時間：10:00～17:00（月～金）
※上記時間以外不定期で本棚オーナーの店番営業日もあり。
・ひと箱本棚オーナー登録料：月額2200円、または、2860円（棚の大きさによって異なる）
・貸出図書カード登録料：300円（初回登録のみ）
※詳しくは「暮らし図書室」にお問い合わせください。

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「暮らし図書室」Instagram

インタビュー・文:ありす